ワイドウォール工法とは
もたれ式擁壁の構築で多用される大型コンクリートブロックに独自の技術をプラスた車道拡幅工法です。
特に狭小な道で拡幅が困難な場所において注目されている1.5車線化へ最小のコストで実現可能です。
山間部における1.5車線化のイメージ
山間部などで部分的に退避場所を設置する1.5車線道路整備のイメージ。川沿いの場合には道路拡幅を行う場合には河川側への影響を最小にする必要があります。
1.5車線道路整備とは、今後も多くの交通量の伸びが想定できない山間部などの道路において、今までの2車線化にこだわらず、1車線の道路に待避所等を設けて部分的に2車線の道路整備を行うことで、従来ではすれ違いも困難な場所に最適な整備方法で、国や各都道府県において検討と実行がなされています。ワイドウォール工法はこの取り組みに最適な道路拡幅工法です。
ワイドウォール工法は従来のもたれ式擁壁とワイドウォールブロックを構築することで、道路拡幅に必要な用地が確保される工法として今注目されております。
形状
ブロックの形状は、下部に使われる5分勾配のブロックの上に、前壁部分を垂直に構成するブロックを複数用います。背面は従来のもたれ式擁壁の勾配を維持しながら前面は垂直の擁壁が構築されます。
最上段の例 | |||
5分勾配のブロックを下2段に設置した例 |
活用事例
ブロックの組み合わせでバス停を設置した例です。擁壁下部の基礎部分は同じですが、上部にワイドウォール工法の特徴である前面に垂直のブロックを組み合わせることで、河川に影響を及ぼさずにバス停に必要な道路拡幅を実現しています。
河川側から 基礎部分は通常の擁壁と同じです。 |
道路側から 上部は○の部分に張り出すことで、矢印部分の拡幅を実現しております。 |
プラス機能の実現
ワイドウォール工法のブロックの前面の垂直壁内部は空隙が設けられています。この空間を有効に活用することで、鳥類の営巣機能や、植生の実現などの付加機能が低コストで実現可能です。従来では、高価であった環境対応が、プラスアルファで実現できる画期的な工法です。これらの機能はさらなる研究開発により今後多くの機能を取り入れる予定です。